NHK「ためしてガッテン」
NHK総合テレビ番組「ためしてガッテン」では、様々な事象を専門家が判り易く解き明かす500回を超えた人気番組です。2006年6月28日は「環境ホルモン」がテーマでした。
NHKホームページでテキストとして公開されています。

給水管更生工事用二液性エポキシ樹脂塗料についての見解

当協会では、2003年から給水管更生工事に使用されるビスフェノールAの入った二液性エポキシ樹脂塗料の安全性について問題視してきましたが、最近は環境ホルモンに関してメディアが取り上げることがほとんどなくなってきました。
2006年6月28日NHK総合テレビ「ためしてガッテン」(以下「Gatten」と言う)で取り上げられた「環境ホルモン」についての紹介と、当協会が問題にしてきた給水管更生工事用に使用されるビスフェノールAの入った二液性エポキシ樹脂塗料についての見解を示しました。

* 環境ホルモンとは:環境中の合成化学物質のうち、生き物の体内に取り込まれると、まるでホルモンのように働いて生殖機能などをかく乱するおそれのあるものをいう。「内分泌かく乱化学物質」。

Gattenによると環境ホルモンに関して最近メディアが取り上げることがほとんどなくなった理由を次のように言っています。

@ 日本は環境庁が「SPEED98」というプロジェクトを立ち上げた。

A このプロジェクトは、8年経過して36物質について調査した結果、「人間への明確な悪影響はなかった」と報告。

B 環境省が上記報告をしたので安心感が広まり、環境ホルモンの話題性が薄れ問題が収束した感がある。

Gattenが今回このテーマを取り上げたのは、視聴者からの「あれほど話題になった環境ホルモンが最近メディアで取り上げられないのはなぜか?」という質問に応えたものといっています。
Gattenは、「環境ホルモンが人体に悪影響を及ぼすかどうかは、現在世界中で研究の最中にあり、はっきりと結論が出たわけではない。予防原則にのっとり、影響のわからない合成化学物質を体内摂取するような状況は避けたほうがよい」と締めくくっています。

*予防原則とは:EU各国における「問題がありそうな可能性がある場合、安全であることが確認されるまで、予防的に使うことをやめようとする考え方」。


「環境ホルモンは人間への明確な悪影響はなかった」との環境省報告について

1. 環境省は、1998年に「SPEED98」というプロジェクトを立ち上げ、さまざまな環境中の環境ホルモン(内分泌かく乱化学物質)の濃度や、魚類や哺乳類に対する影響を調べ、プロジェクト開始から8年経過し、調査した36物質について「人間への明確な悪影響はなかった」と環境省は結論付けました。
 環境省が「人間への明確な影響はなかった」と報告したことでわが国では安心感が広がり、メディアが取り上げることが稀になりました。

2 .この問題を取り上げたGattenでは、「環境ホルモンが人体に悪影響を及ぼすかどうかは、現在世界中で研究の最中にあり、まだはっきりと結論がでたわけではない。予防原則にのっとり、影響のわからない合成化学物質を体内摂取するような状況はさけたほうがよい」と結論付けています。

3. この環境省の発表は世界の環境ホルモンに関する取り組みの趨勢と異なるだけでなく、厚生労働省の取組方針とも大きく異なります。
 アメリカタフツ大学アナ・ソト教授などの最新研究によると、「環境ホルモンは、それが与えられたタイミングの微妙な違いで作用したり作用しなかったりする(日本の研究機関でも同様の研究結果を出しているところもある)」。
 「成熟した後についても影響の有無をもっと長く調べたほうがよい。たとえば、胎児の段階で環境ホルモンを与えると、大人になった後にメスの閉経が早まることがわかった」などの研究結果が発表されています。
 厚生労働省は、胎児の段階で影響を受けたネズミをその一生にわたって検査する「一生涯試験」という試験方法の必要性を提唱しています。
 「少なくとも5世代まで追跡しなければ結論が出せない、環境ホルモン物質のおそれがある物質は36にとどまらず、実に2000種類もの合成化学物質に、環境ホルモンである可能性がある」(厚生労働省の最新研究)などの専門家の意見もあります。

4.環境ホルモンとされる36物質のうち「ビスフェノールA」を溶出するものとしては、プラスチック食器、ほ乳瓶、缶、歯の詰め物などが挙げられていますが、給水管更生用のライニング材として用いられる二液型エポキシ樹脂塗料から検出した調査結果もあります。

5. NPOリニューアル技術開発協会は、給水管更生工事を行う際に使用されるビスフェノールAの入った二液型エポキシ樹脂塗料を認めていません。
 給水管更生工事を行う事業団体が行った試験の方法が適正か否かは別として、環境ホルモン物質と疑われているビスフェノールAが人体に与える影響そのものがまだ不明である現在、その安全基準の数値を定めた基準にどのような意味があるのでしょうか?
 現在、世界中で調査中の環境ホルモンについて「旧厚生省の基準によれば安全」とする説明には納得できないからです。

  Gattenの「環境ホルモンが人体に悪影響を及ぼすかどうかは、現在世界中で研究の最中にあり、はっきりと結論がでたわけではない。予防原則にのっとり、影響のわからない合成化学物質を体内摂取するような状況はさけたほうがよい」とする締めくくりは、ビスフェノールAの入った二液型エポキシ樹脂塗料を使用する給水管更生工事に関するNPOリニューアル技術開発協会の現時点(2006年9月)における考え方と同じです